競馬新聞にある「◎」「×」「☆」といった記号。
これらは「予想印」と言って、競馬の長い歴史の中でずっと使われてきたものです。
ただ、初心者の方にとって、この予想印の意味をちゃんと理解できている方はそう多くはないと思います。
そして、この予想印の理解は、競馬を一歩上のステージで楽しむことができ、競馬の的中率アップにもつなげることができます。
この記事では、競馬初心者向けに、競馬の予想印の基本、活用法について、詳しく解説します。
「◎」「☆」といった基本的な予想印について解説し、予想印のつけ方、さらに、予想印を活用した予想法についても解説します。
また、新聞やテレビによって、予想印はつける人が違うため、どの媒体の、誰の予想印がおすすめかも紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
競馬の予想印の見方は?基本的な意味を解説
競馬新聞や競馬中継などでよく見る「◎」「×」「☆」といった記号。
これらの記号を「予想印」といいます。
この予想印とは、競馬新聞やウェブサイト、テレビの予想において、記者や有名人が「その馬をどう評価しているか」を表す記号です。
つまり、競馬における予想印は、「この馬は強い」「この馬は次に強い」「あの馬は全然人気ないけどもしかしたら…」といったような、競走馬の評価を簡潔に示します。
各記号には特定の意味があります。見方を知らなければ、よく当たる記者や有名人の予想にも乗れないし、自身の予想をSNSで発表することも難しくなります。
ここでは、主要な予想印の意味と使い方を解説します。
予想印「◎」の意味
予想印の「◎」は、本命を意味し、そのレースで最も期待される馬を示します。
各々の予想において、「勝つ確率が最も高い」馬につける予想印です。
一方、馬連中心で買う場合は、「連対(2着以内)の可能性が最も高い」馬、3連系の馬券ならば、「複勝圏(3着以内)に来る可能性が最も高い」馬に「◎」がつけられます。
この「◎」は、予想の中心となる印で、予想印をつけるにおいて、「◎」の予想印がないことはあり得ません。
また、「◎」は、別の言い方で「軸」とも言われることが多いです。
「軸(◎)はジャスティンミラノからかなー」
と、競馬場でそういったセリフが飛び交っていると思います。
競馬新聞などで、多くの記者が「◎」をつけるような馬は、人気になりやすい傾向にあります。
むしろ、競馬記者が人気馬を作っているとも言われています。
予想印「◯」の意味
予想印の「◯」は、対抗を意味し、そのレースで「◎」の次に期待する馬を示します。
各々の予想において、「勝つ確率が最も高い」馬につける予想印です。
2着になる確率が高い馬を示すわけではありません。
競馬新聞などで、多くの記者が「◯」をつけるような馬も、「◎」に次いで人気になりやすいと言えるでしょう。
基本的に穴に◎を打つ記者が、2024年ダービーのジャスティンミラノのような人気馬に「◯」を打つのは、あるあるだと言えます。
「◯」は、2着になる確率が高い馬を示す予想印ではありませんが、3連単フォーメーションの1,2着固定で買う場合は、「◯」が2着予想となります
また、「◯」は、「◎」の単勝・複勝しか買わない人にとっては、必要のない予想印であるとも言え、それは次以降に紹介する「▲」や「△」「×」「☆」も同じです。
予想印「▲」の意味
予想印の「▲」は、単穴を意味し、そのレースで「◯」の次に期待する馬を示します。
各々の予想において、「3番目に期待できる」馬につける予想印です。
「◯」と同じように、2着になる確率が高い馬を示すわけではありません。
競馬新聞などで、多くの記者が「▲」をつけるような馬は、「◎」「◯」と比較して、人気のない馬が多いです。
つまり、予想する人が、
「勝つのは◎か◯だと思うけど、ぶっちゃけ▲も捨てがたいし、むしろオッズがつくから▲に来てほしいな…」
と内心思っている予想印が「▲」です。
ある意味、「▲」こそが、その記者の「心の本命馬」と言えるかもしれません。
「◎」や「◯」みたいに評価されていないけど、もしかしたら来るんじゃないか…。
そんなロマン枠が、「▲」という予想印なのです。
予想印「△」の意味
予想印の「△」は、連下を意味し、そのレースで2,3着くらいに来そうな馬を示します。
各々の予想において、「勝てないだろうけど連対・複勝圏はあるぞ」という馬につける予想印です。
つまり、単複で勝負する人や、点数を抑えたい人にとっては、不必要な予想印であるといえます。
「△」の予想印は、「◎」や「◯」「▲」を中心に、馬連や馬単、3連複や3連単を買う人向けのものだといえるでしょう。
そのため、3連単の高配当狙いの人は、「△」の数が必然的に増えます。
通常「△」は、3~4頭をピックアップすることが多いですが、中には7~8頭「△」の予想印をつける人もいます。
また、この「△」は、「相手」と言われることも多いです。
「軸(◎)はジャンタルマンタルで、相手(△)はロジリオンとダノンマッキンリーを含めて5頭くらいかな…」
といった形で使われます。
「◎」から馬券を流す人にとって、「△」は重要な予想印です。
予想印「注」の意味
ここまで紹介した、「◎」「◯」「▲」「△」は、基本的にどの媒体でも使われる予想印です。
そのため、「◎」「◯」「▲」「△」の意味は、必ず覚える必要があります。
ここから紹介する予想印は、新聞によっては使われたり使われなかったりする予想印です。
なので、まずはここまで紹介した4つの予想印をマスターしてください。
話を戻します。
予想印の「注」は、穴馬を意味し、「人気はないが注意が必要な馬」を示します。
各々の予想において、「人気はまったくないけどもしかしたら来るかもよ」という馬につける予想印です。
つまり、2024年ダービーならば、シンエンペラーくらいの人気では「▲」や「△」となり、ダノンデサイルくらいの人気で、初めてつく予想印だといえるでしょうか。
予想印「×」の意味
予想印の「×」は、大穴を意味し、「人気はないが好走しそうな馬」を示します。
各々の予想において、「無理だとは思うけど注目しといてね」という馬につける予想印です。
基本的には「注」と同じ扱いで良いでしょう。
予想印「☆」の意味
予想印の「☆」は、大穴を意味し、「人気はないが好走しそうな馬」を示します。
各々の予想において、「無理だとは思うけど注目しといてね」という馬につける予想印です。
基本的には「注」「×」と同じ扱いで良いでしょう。
そもそも「注」「×」「☆」という予想印は、「いらない予想印」であるといえます。
なぜ存在するかというと、記者がイキりたいだけだと推測されます。
例えば、2024年ダービーにて、全く人気のなかったサンライズアースに「☆」をつけた記者がいるとするならば、
「オレが☆をつけて注目していた馬が4着に来たぞ!」
とドヤることでしょう。
これは偏見ではありますが、「注」「×」「☆」という予想印は、競馬記者がドヤりたいだけのものだと考えます。
つまり、我々には必要のない予想印です。
「そんなのあるんだー」くらいに認識しておけばよいと思われます。
無印(何もなし)の意味
無印は、なんの予想印もついていないことを示します。
つまり、各々が、3着にも来ないと評価した馬です。
無印の馬については、「切る」という表現が良く使われます。
この「切る」とは、麻雀でいらない牌を捨てることと同じ意味で、「自分の予想から外す」という意味です。
また、記者や予想家によっては、人気の馬を無印にすることもよくあります。
無印にする馬を見極めること。
ある意味、「無印」は、一番重要な予想印かもしれませんね。
新聞によっては他の予想印もある?
媒体によっては、上記で紹介してきた以外にも、予想印があることがあります。
例えば、二重の△(△の中に△がある印)。
これは、競馬ブックが使用しており、△の中で一番来そうだなと思う馬(連下で最も期待できる馬)につけられます。
また、日刊スポーツが使用している「◉」という予想印もあります。
これは、本命中の本命という意味で、その日すべてのレースにおいて一番自信のある「◎」という意味です。
個人でもこの「◉」は使用しやすく、絶対の自信のあるレースに「◉」をつけたり、イクイノックスのような馬に対して降参という意味で「◉」をつけるのも良いかと思います。
競馬の予想印を活用するには
競馬の予想印を理解すれば、様々な面で活用することができます。
他者の予想を理解することができ、自身の予想を可視化することも可能です。
ここでは、予想印の付け方やその活用法を紹介します。
予想印をマスターするメリットとは
予想印をマスターすることで、競馬新聞やサイトなどの媒体の予想を理解しやすくなり、馬券購入の際の参考にすることができます。
つまり、予想印がマスターできれば、人の予想をすぐに理解できるのです。
逆に言えば、予想印の意味がわからなければ、著名人の予想をすぐに理解することができません。
また、自身の予想を可視化することができ、自分でSNSで予想を出すことも容易となります。
競馬初心者にとって、予想印の理解は必須です。
予想印の付け方
予想印のつけ方は、先程説明した予想印の意味を理解すれば、自由につけてもOKです。
条件としては、「◎」or「◉」は必須ということでしょうか。
猪突猛進に一頭だけを買う場合は、「◎」だけをつけるのもいいでしょうし、「◎」を軸に馬連や3連複を流したい人は、「◯」「▲」をつけずに、「◎」以外は全部「△」にしても問題ありません。
ただ、初心者の方は、出走馬の能力序列を考えるという意味で、やはり「◎」「◯」「▲」「△」までつけるのが良いと思います。
「◎はチェルヴィニアで、◯はライトバック、▲はステレンボッシュ、△にスウィープフィートとあと2頭…」
といった形で、予想していきます。
それを毎レース行うことで、自身の予想力が鍛えられ、馬券で勝つことができるようになります。
競馬の予想印を利用した馬券の買い方とは?
競馬の予想印は、馬券購入にも利用できます。
初心者の方は、自分での予想が難しい際は、競馬記者や有名人などの予想印に頼ることで、思わぬ高配当にありつけることもあります。
ここでは予想印を利用した馬券の買い方について解説します。
◎を本命にして◯、▲、△、×で流す
要は、「◎」を軸として、他の予想印で流す馬券です。
この馬券は、非常にわかりやすくシンプルなので、初心者にはおすすめです。
自分で「◎」を決めたならば、あとは5~7頭くらいをピックアップし、「◯」「▲」「△」といった予想印をつけていきます。
もし、自分で予想印をつけられないならば、有名人の予想印を真似ても構いません(馬券は自己責任ですが)。
券種は、ワイド、馬連、馬単、3連複、3連単とさまざまですが、おすすめは3連複です。
適度に配当が期待でき、適度に当たりやすいことで、「◎」から他の予想印に流す買い方に向いています。
2024年日本ダービーは、「◎」に1番人気のジャスティンミラノを据え、「△」や「☆」に勝ったダノンデサイルやシンエンペラーを入れていたことで、思わぬ高配当にありつけた人が多くいました。
2024年のダービーは、レガレイラやシックスペンスを無印にする勇気があれば、割と簡単に万馬券が取れていたレースだったかもしれません。
◎、◯、▲のボックス
点数を抑えたい!という方は、この買い方もありかもしれません。
予想印「◎」「◯」「▲」がついている3頭をピックアップし、これらの馬のボックス馬券を買います。
2024年の桜花賞やオークスは、順番は違えど、複勝圏に入った3頭にこの「◎」「◯」「▲」をつけていた予想家が多くいました。
この3頭の馬連ボックスならば、3点のみ。
2024年桜花賞ならば、配当は620円。
1000円を3点購入していれば、3000円以上の利益が出た計算になります。
ただ、3頭の3連単ボックスはあまりおすすめしません。
理由は、「とんでもなく当たりにくいから」です。
当たる前に、競馬が嫌になってしまうでしょう。
どの新聞の予想印が信用できるの?
どの新聞の予想印が信用できるかは、なかなか難しい問題です。
なぜなら、どのスポーツ新聞、競馬新聞も、複数の記者が予想印をつけているからです。
そのため、絶対に当たらない新聞もなければ、絶対に当たるという新聞も存在しません。
新聞の選択は、記者の予想よりも、自分の予想に役立つファクターがあるか、見やすいかどうかで決めるべきでしょう。
新聞単位で選ぶよりも、頼りたい記者や有名人で選ぶほうが良いかもしれません。
おすすめはテレビ東京系「ウイニング競馬」の予想印!
そんな中、おすすめしたいのは、テレビ東京系の競馬番組「ウイニング競馬」の予想印です。
理由としては、予想能力の極めて高い出演者が多いからです。
パドック派は、馬を見るプロである大久保元調教師の予想印がおすすめです。
新メンバーの東スポ三嶋まりえ記者の予想印は、堅実ですが的中率が高い印象です。
そして、芸人のキャプテン渡辺の予想は、今や芸能界一の腕前と言われています。
番組内で100万以上の払い戻しを受けたこともあるなど、参考にする価値のある予想をしています。
なお、ジャングルポケット斎藤の予想は、あまりに穴党過ぎるため、参考にしない方がよいでしょう(ダービーは◎ダノンデサイルで当てていましたが)。
究極は競馬の予想印を気にしない予想をすること
競馬の予想印は、競馬初心者にとって、記者や予想家が強いと思っている馬が可視化され、非常に重要なものです。
しかし、時には記者や予想家が強いと思っている馬が本当に強いとは限りません。
2024年のヴィクトリアマイルでは、皆がこぞって「◎」をつけていたナミュールが惨敗し、印をつけていた記者の方が少なかったテンハッピーローズが勝つなど、記者の予想印が当てにならかったレースも存在します。
そう、究極は予想印にとらわれない予想をすることなのです。
予想印を使った予想は、「上手い人の予想に乗ること」
これまで紹介した予想印を使った予想は、「上手い人の予想に乗ること」と同義です。
つまり、自分ではなく、キャプテン渡辺の予想に乗っているだけです。
キャプテン渡辺は年間収支プラスも達成しているため、それも一つの戦略ではありますが、やはり競馬の醍醐味は、「自分の予想」を当てること。
この自分の予想で馬券を当てることは、お金が儲かる以上に、自己が満たされる瞬間でもあります。
予想印に惑わされない方法とは
予想印に惑わされすぎると、本当に強い馬がわからず、自分で考える能力が失われます。
究極は、予想印を見ずに予想することです。
予想印が多い馬は人気となることが多いため、人気な馬は「◎がたくさん付いてるんだろうなー」くらいに思っておけばよいのです。
JRAのホームページの出馬表は予想印が一切ないため、予想印に惑わされてしまう人は、一度、JRAホームページだけで予想するのもいいかもしれません。
予想印がなくても、意外と予想できてしまうものですよ。
ただ、予想印を無視=人気を無視というわけではないので、注意してください。
人気は、競馬において非常に重要なファクターです。
人気の馬に乗ると全くダメな騎手も存在するため、予想印の無視=人気を無視するわけではないということは、覚えておいてください。
競馬の予想印についての解説:まとめ
当記事では、競馬の予想印の基本的な意味から活用法まで、詳しく解説しました。
競馬の予想印を理解することは、今後競馬を楽しむにおいて、非常に重要です。
予想印によって、他人の予想と自分の予想を比較することが容易となり、馬券力アップにもつながります。
究極的には、他人の予想印を気にせずに予想を組み立てることが一番ですが、それも予想印を知り、自身の馬券力を高めることで可能となります。
初心者の方は、当記事で競馬の予想印についての理解が深まったならば、非常に幸いに思います。
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